米沢富美子『二人で紡いだ物語』 - ゆる~り、ゆるゆると~

米沢富美子『二人で紡いだ物語』

湯川秀樹先生の本を読んだときに、物理つながりで米沢富美子先生の
本を見つけました。

単行本のときに12刷まで出版された話題作のようなので
ご存知の方も多いかもしれません。






米沢先生は、世界的物理学者で女性として初めて物理学会会長も務めた
スーパーレディです。

どういう人だと思います?
四六時中、むずかしい顔したこわーい男勝りなイメージになりますか?

実は、私は学生時代、キャンパスで米沢先生を見かけたことがあります。
ちょうど私が在学しているときに、大学が新たに物理学科を新設することになり
米沢先生は赴任していらしたのでした。

あの女性は一体何者?

誰もがそう思ったと思います。

目立つんですよ。異質なオーラを放っていて、どうみても学生じゃないし、
かといって、職員の方のようでもない。
ピンクのクレージュのジャケットなんか着ちゃってるんです。

物理の先生だよ。

と聞かされて、へぇ~と思った記憶があります。

直接、講義を受ける機会はありませんでしたけど、
強く印象に残りました。


その後、社会人となって、米沢先生が「猿橋賞」という女性科学者に与え
られる大きな賞を受賞され、テレビのインタビューを受けているのを
見ました。私も働き始めたばかりでしたから励みになりました。


この本は、米沢先生の自伝となるわけですが、
もうタイトルからして、やばい、これは読むと泣いちゃうと思いました。

夫婦の愛情物語とか、そういうのに弱いんです。
泣ける映画と言われても、そんなに泣かない方ですが、
ドキュメンタリー系はだめですね。

先生は実は私よりも母の歳にずっと近いことにびっくりしました。
母の4歳下です。昭和10年代なんです。
よく考えてみれば、そうなのかもしれませんが、お見かけしたとき
とても若く見えたので、私より10歳くらい上なのかという感じでした。

家事も育児も全く手伝ってくれない夫で、母子家庭状態なのに
結婚して3人の娘を育てていて、でも、学者としても
一流街道を突っ走ってます。

あの時代で育児しながら働くのって、並大抵じゃないと思います。
私の息子は今18歳ですが、私が出産したときでも、まだ育児休暇は
なかったんです。

夫は国際金融のスペシャリストですが、その会社だと奥さんは
ほとんど専業主婦だったでしょう。

その上
20代、最初の妊娠では胎盤がガン細胞化する命にかかわる病気をされ、
30代、子宮筋腫による子宮摘出
40代、乳がんによる乳房切除、翌年、もう片方も転移により切除

という大病も克服されています。
これだけの病気をしたら、それだけで充分まいってしまいそうなのに。


ご主人は家事育児はノータッチだったようですが、
精神的には、米沢先生を全面的に支えています。
一番の理解者のご主人がいればこそ、大ヒットとなる業績を
残すことができたのだなあと思います。

大学院生時代、ご主人は

「君の持っている才能を、余すところなく開花させてあげられる力が
 僕にあるのかどうか、ときどき心配になることがあるよ。」


と言ったそうです。昭和11年生まれ、ほとんど昭和ヒトケタの世代で
こんなこと言える男性がいるなんて!
自らもエリート社員なのに。
驚きました。

米沢先生、夫と子供たちにメロメロなんです。
そういう夫への思い、子供への思いが素直に綴られています。

1996年にご主人を亡くされているのですが、そのときのお別れの会の
先生の謝辞では、やはり泣いてしまいました。

こんな風に、お互いを尊重しながら、夫婦として歩んで行けたら
素敵です。

私は、一緒に紡いでいくパートナーがいなくなってしまったし、
ほんとはもっと子供も欲しかったし、仕事も中途半端なわけだけど、
でも、この状態からでも、頑張って行こうと励まされる本です。

来世では最高のパートナーを見つけたいな。

なんかまとまらない感想になってしまいました。


難しい物理の話は全く出てきません。
先生が一流の学者であることも関係なしに読める夫婦の愛情物語です。



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